「ノルマ」の悲劇
昔、ソ連という社会主義国家がありました。
私が小学生のときに崩壊しました。
崩壊の大きな原因に、イデオロギーに基づく「計画経済」というものがあったことは、有名ですね。
競争や貧富の差を避けるために、私企業の存在を否定し、企業はすべて国営。
首脳部がつくった計画に基づき、労働者にノルマが割り当てられる。
労働者の権利や福利厚生は手厚く保障。
結果どうなったか。
一生懸命働こうが、手を抜いて働こうが、ノルマさえ果たせば同じ給料・福利厚生を受けられたので、手抜きする人ばかりになったわけです。
結果としてあちこちに融通のきかないやる気のない店員、パンを買うために大行列、賢い人はコネを生かして行列をパス。
生産性は下がり、西側諸国に差をつけられ、ゴルバチョフの改革に至る・・・
壮大な実験というか、ウソのような歴史の事実ですね。
与えられた課題を(きちんと)こなすこと、それは確かに大事。
でも、「来ればいいんでしょ」「やりさえすればいいんでしょ」というノルマ感覚になってしまったら、
「上(先生)がなんとかしてくれるでしょ」という依存体質になってしまったら、
受け身になってしまったら、
指示に従うだけ、ぼーっと指示を待つだけになってしまったら、
そう、勉強だって、決して伸びることはありません。
いや、そういう子たちを見て私が感じてきたことは、
正直に言いますと、
「俺、この子の指導を間違っちゃったなあ・・・」
「この子を育てられなかったなあ・・・」
でした。
この後悔を繰り返したくないです。
