「広い世界」を語る?
- orangejuku
- 2023年11月23日
- 読了時間: 3分
「先生は、子どもたちに広い世界を教えてやれ」
そんなことを言われることがときどきあります。
「そうすれば子どもたちも勉強のモチベーションがわくんじゃないのか」
そう言われたこともあります。
「この地域の/今の子どもたちは、狭い世界しか知らないんだよ」
とか。
それを実践している先生はいっぱいいて、
正直僕は羨ましいと思います。
留学や旅で
世界の様子をありありと見聞・経験してきた先生。
英語が堪能な先生。
他の仕事をやってきて、
社会のことをよく知っている人生経験豊かな先生。
人脈の豊かな先生。
スポーツ/音楽etc.に打ち込んできた先生。
趣味の豊かな先生。
色々なことを知っている先生。
世界の最先端の動きに精通した先生。
勉強も教えながら、
そういうものも子どもたちに伝えている先生というのは、
(サッカーを教えられる塾の先生とか
音楽活動もやっていて、東京にミュージシャンの知り合いがいる先生とか)
もうそれはそれは
心底羨ましいと思います。
僕は、
恥ずかしながら、
大学で歴史をちょろっと勉強したくらいで、
理系音痴だし、
スポーツ音痴だし、
IT音痴だし、
趣味もないと言ってよく、
カルチャーにも疎く、
まあ音楽は大好きですが
楽器は大して弾けず、
知り合いにスゴイ人がいるわけでもなく、
英語は好きですが
留学の経験もなく、
「広い世界」をみんなに教えてやって
子どもたちの目がキラキラ✨
という期待には、
悲しいかな
どうも応えられそうにありません。
そんな僕ですが、
20代からずっと
「教師」
をやってきました。
場所とか教科は変われど、
ずっと「先生」をやってきました。
ありがたいことに。
で、
僕は思うんです。
何も
遠い、広い世界を指さしてやらなくても
勉強は、わかるとたのしい!
と。
面積を求める問題が解けたことで
教科書の英文がすらすら読めるようになったことで
広い「世界」につながってる!
なんて思わないかもしれません。
でも、
そんなこと抜きに
子どもなら
「なるほど」
「やった!」
って思うと思うんです。
で、その「たのしさ」を、
めーいっぱい
まあ、僕流になっちゃいますが💦
盛り立てたい
演出したい
と僕はいつも思っています。
先生が今週もくだらないギャグを言って笑えた
先週の小テストでいい点とったのでご褒美がもらえた
今日も彼は先生にツッコまれまくっていてウケた
例えば
そういう楽しさ。
くだらないものだと思います?
僕はそうは思いません。
よくミュージシャンが
「俺らのライブに来てくれたみんなが、毎日いろいろつらいこともあるけれど、思いきり笑って楽しんで、なんか力もらって、人生も捨てたもんじゃないな、とか、明日もがんばろうとかって思って帰ってくれるような、そんなライブにしたいと思ってます」
とか言うじゃないですか。
週に1度か2度の、貴重な一期一会。
そういう場/時間でありたいと、本気で思うのです。
(なかなか毎回うまくいくわけではありませんが。)
それで、もしかしたら誰かが
自分自身で勉強の楽しさに気がついて
自分自身で「広い世界」に興味でもわいてくれればよくて
「世界は広いんだよ」
だなんて
こちらから強要するように語る必要は全然ないんじゃないか
と僕は思います。

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