「クーリエ・ジャポン」というオンライン雑誌の、
こんな記事(☟)を見ました。
これによると、
「若者の読書離れ」は新しい話題ではないが、近年は
アメリカのエリート大学生でも
一冊本を読み通すことのできない若者が増えている、
と大学教授たちが嘆いている、
とのことです。
要約すると・・・
①コロンビア、プリンストン、ジョージタウン・・・そうそうたる大学の教授たち33人が、取材に応えて、学生たちが本を読めなくなった(「1冊読んでこいなんて言われたことありません」と言われたり、「固まって」しまったりするという)と言っている。
②理由の一つには、スマートフォンがある。
③しかし他にも理由がありそうだ(ここからが本題のようです)。
④アメリカの高校までのカリキュラムの変化で、本をまるまる読む昔ながらの授業がなされなくなった。
(以下引用です)
「(アンケートの回答の)49%が、アンソロジーおよび抜粋を組み合わせて授業をおこなっていることがわかった」
「イリノイ州のある高校教師は、かつては読書中心の授業をしていたが、いまでは優れた判断を下す能力など、さまざまなスキルアップのための授業をしていると語った。彼女のクラスでは、リーダーシップを学ぶ際、学生たちはホメロスの『オデュッセイア』の抜粋を読み、音楽や記事、TEDトークなどでその思考を補完しているという」
(引用終わり。「抜粋」かあ・・・)
⑤今の学生たちは就職に大きな不安を抱いている。読書よりも「キャリア形成」「就活」に力を入れ、それに役立つ授業で単位を取ろうとしている。
⑥長い本を読むことで、「共感心」や「思いやりの心」、「クリティカル・シンキング」「内省心」を養うことができる。5ページや30ページの抜粋でそれはできない、と専門家たちは指摘しているが・・・
こんな内容でした。
日本でも共通するところがたくさんありそうですね。
「抜粋」ねえ・・・
確かにそういう本が多いですよね。
『3時間でわかる〇〇』
とか。
僕もあまり読書家ではありません。
(20年前、大ヒットしていた『カラマーゾフ兄弟』の新訳を読み始めて挫折しました・・・。)
大量の情報が飛び交う現代を泳ぐためには、
うまく情報を選んで高速で要領よく
ちゃちゃっと
多岐にわたる大量のタスクを処理しなければならないのも、
致し方ないことないのかもしれません。
それでも、「抜粋」という言葉を見ると、
こう思わずにはいられません。
本当にその人の血や肉や力になり価値になる知識や情報やスキルや技術が、「抜粋」をもとに要領よくちゃちゃっと身につけられるわけがない!
と。
看護について、要点以外はカットして1週間でちゃちゃっと学び終えた、なんていう人が、看護師としてつとまるでしょうか?
ピアノを始めてから1か月でちゃちゃっと「マスター」したという人が、プロのピアニストになれるでしょうか?
そう見える、
器用に見える人は、
それ以前に別のことをがんばってスキルを身につけた、
(ピアノの話でいえば、もともとギターをやっていた人だったとか)
そんな前歴のある人でしょう。
「小中学校の算数や国語や英語なんて、そんなおおげさなものじゃないよ」
ですか?
いや、
同じだと思います。
小学生の国語の授業では、名作文学などの音読(僕と生徒での交代読み)を毎回やっています。時間の制限がある中でも、これは削れません。
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