シリアの平和を願う。
- orangejuku
- 2024年12月9日
- 読了時間: 3分
僕は、学生時代、2度シリアに渡航したことがあります。
アラブ地域の近現代史、というのを専攻していたので。
先週、そのシリアを50年以上支配してきたアサド政権が
実にあっけなく崩壊しました。
多くの方には遠い国の話で、
それも無理からぬことですが、
僕にとっては感慨が大きいです。
僕がシリアを旅行した20年以上前、
そのときは「先代」のアサド大統領(父)の時代でした。
独裁体制のためか、治安は安定していました。
全体に落ち着いているようにしか見えませんでした。
珍しい景色、珍しく美味しい食べ物、古代遺跡、そしてやたらと人懐こく旅行者をもてなす現地の人たち・・・
いい思い出しかありません。
まあ、街を歩くとこんなものが売られていたりしました。

これは小学生用の、学校で使うノートなんです。
表紙は大統領一家のお顔!
(真ん中が「先代」で、左が今回追われたバッシャール・アサド氏です。)
キラキラ!
バラの花束!!
旧ジャ〇ーズのアイドルかよ?!!
苦笑してしまうようなセンスですが、
独裁国家であることは確かにそうでした。

中は普通のノート。

裏表紙にはかけ算九九の表が!
今から10数年前、内戦が始まり
アサド(二代目)政権は相当ピンチに陥りましたが、
ロシアやイランの強力な支援もあり、
持ちこたえ、逆転して優勢になっていました。
その「奮戦」ぶり、しぶとさは
ちょっと感心したくらいです。
きっと、過激派よりは現政権の方がまし、という国民も多かったんじゃないかと僕は推測します。
だから今回の崩壊のあっけなさに驚きました。
報じられているところによると、
欧米の経済制裁で経済が疲弊し、インフラも滞っていたのに、支配層や富裕層は私腹を肥やしているような状態だったとのこと。
きっと政権側に、
油断していた人間
「なーんか現場の軍人が油断するなっ!て言ってるけど、うるさいの~」とか言っていた人間
「うまい汁は吸えるだけ吸っときましょー♪」とかやっていた人間
「国民が苦しんでる?んー、知らないよー。面倒くさいなー」とかとなっていた人間
「人生先のことなんかわからんし、とりあえず美味いもんでも食って、人生楽しみましょー!」とか呑気にやっていた人間
がいっぱいいたんじゃないかなあ。
(ただの 妄想ですが♨)
今回戦闘や流血が少なく済んだことは救いかもしれません。
すでに50万人以上が死亡したシリア内戦。
各勢力がこれまでの犠牲の大きさに懲りて、
今後収束に向かっていくことを祈るばかりです。
個人的な話、最後までお読みいただきありがとうございました♨
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