昔、僕は高校で世界史などを教えていました。
そんな立場だったのにナンですが、
「なんでこんな細っかいことが大学受験では聞かれるんだろう?」
とよく悩んだものです。
まだ僕も20代でした。
世界史の教師でありながら、
「こんなことを知ってる必要あるぅ?」
と素朴かつ真剣に思わざるをえないことがたくさんありました。
ロシア・トルコ戦争で結ばれた条約は?(サン・ステファノ条約)
とか
エジプト・トルコ戦争で結ばれた条約は?(ウンキャル・スケレッシ条約)
とか。
絶対トルコ人も知らないだろう?!
みたいな。
なんでこんな細かいことを教えなければならないのか。
そんなものをなんでこんなにたくさん覚えさせなければならないのか。
見ろ、
みんな寝てるじゃないか!!(泣)
「世界史つまらん」ということを教えているのか俺は?!(涙)
悩みました。
で、結論は
「しゃあない。大学受験で出るんだから」
でした。
ただし、
僕自身はまともに正面から取り合わないことにしました。
どういうことかというと、
「そんなのまともに羅列してダラダラ『講義』してたら、授業がつまらなくなる上に進まなくなるから、僕は授業では大事なところだけをしゃべって伝えることにしよう。『枝葉』の部分は、『テストや受験で出るからしゃあない』ものということで、そこは生徒に自分で暗記を頑張ってもらうことにしよう」
大きくいえばそういう方針にしたのです。
せっかくの一期一会の授業の時間なのだから、
おもしろく
役に立つ
意味がある
ようにしよう。
それで「ちったぁ面白えじゃねえか」とか思ってもらった方が、
「砂をかむような」と言わざるを得ない、
しんどい丸暗記
学問もどきのクイズであるテストや受験
に臨むときも、
案外
「仕方ねえ。やってやるか暗記!!」
というマインドになれるんじゃないか?
と思ったのです。
時が経ち、
いま小学生に国語とか教えていると思います。
変な「問題」を機械みたいに与えて
子どもの心を枯らせてはいけないなと。
そうじゃなくて、
問題を与える解かせるじゃなくて、
「国語おもしろいな」
「文章を読むのって楽しいな」
というふうに持っていかなければいけないな、
と。
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