素直さとモチベーションと
- orangejuku
- 2021年11月8日
- 読了時間: 2分
昔、高校教員だったころ、幼稚園の先生を見て大いに驚きました。
子どもたちの集団をあんなにも上手に動かしている!
みんな実に素直についていっている!
こちとら恥ずかしながら授業中集中してもらうのにも苦労しているのに、
幼稚園の先生方若いのにどんだけスキル高いんだ?!
やがてわかりました。子どもは小さければ小さいほど、大人(親、先生etc.)に絶対的な信頼を置いているんだと(幼稚園の先生方を貶めているわけではありません)。
素直のかたまりなんだと。
大きくなると、だんだん絶対的な「素直さ」は薄れていき、代わりに「モチベーション」が人を動かすようになっていきます。
「これ苦手だしおもしろくないからやりたくないな」「これ面白い!」「やらないとヤバいからやらなきゃ」「将来のために勉強しなきゃ」などなど。
欲、必要性、損得勘定・・・色々に言えると思いますが、まあ自然なことです。
幼児には「モチベーション」はありません。
素直さとモチベーションの割合は、中学生は、人それぞれですが、まだ両方にも振り切れていないまさに過渡期という感じがします。
成績という面で言うと、
①「素直さはあるがモチベーションがない」
②「素直さもモチベーションもない」
という子たちが、当然苦労することになります。
①が結構よくあるタイプで、礼儀とかは一応正しいので大人に好感を持たれることもありますが、やがて②に変わっていくことが多いです。
大人たちはいら立って、色々な言い方でモチベーションを掻き立てようとします。
「もう受験生だろ?」
「受験はますます厳しくなってるぞ?」
「身もふたもない言い方だが、世の中結局学歴だぞ?」
「大卒と高卒の生涯収入の差を知ってるか?」
「中国にもインドにも日本は抜かれてきているんだぞ?」
「20〇×年には今ある仕事の××%が消滅するんだぞ?」
などなど・・・
全て事実かもしれません。
でも、その手の「モチベーション」トークが、そのような子たちに響くことはまずありません。
小さいときにはみんな持っている「素直」さを、健全な「モチベーション」につなげるカギは、何なんだろう・・・と最近考えます。
と同時に、「脅し」のような「モチベーション」トークは、極力したくないと思うのです。
(全くしないわけではないですが。)
効かないので。

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