多くの日本人が
鬼門
としてやまない英語。
私の英語教師歴は実はそんなに長くありませんが、
その根本をずっと考えてきました。
「生きた英語にたくさんふれればいい。文法中心の『学校英語』は、役に立たない」
なんていう俗説?を振り切って、
ゴリゴリの文法重視路線に舵を定めたのは、やっと3年くらい前です。
だって、
「細かいところ/ややこしいところにとらわれずに全体をつかむ」?
beと一般動詞の区別もできなくて、
過去形も未来形も前置詞もわからなくて、
なんでそんな離れ業ができるでしょう?
そして、
いつまで経っても
「He is not sleep」とか書く子の多いこと。
問題は単語じゃない。
単語や表現がたくさん出てくると、大事なところがぼんやり見えにくくなってしまうけれど、
beと一般動詞の区別から始まって、三人称単数現在、進行形、過去形・・・
動詞を中心とした文法を、そのルールを、きっちりわかることが大事なんだ。
そう気づいた私は、
授業を文法の習得中心(というかひたすらそれ)に切り替えました。
大事なところをひたすら絞って、ガンガンやらせたい。
その点が塾用教材でも不満に思えた私は、
オリジナルの文法帳みたいなものを作りました。
それで何年か経ちました。
be動詞と一般動詞をごっちゃにする生徒は、まずはいなくなりました。
しかしまだまだ全然結果が出ない。
気がついたのは、
ちょっと長い文になると、
読解も作文も滅茶苦茶になる子たちでした。
(みんながそうだというわけではありません。)
「これは、生き残るための唯一の手段だ」
を
「This is survive to the only way.」
とかいった英文にしてしまう。
そう、日本語をそのままの順番で英語に置き換えているのですね。
読解で言えば、
「This is a present from my brother in Hawaii.」
こんな文が読めません。
「このプレゼントは(こう言った時点で私は「アウト」を出します)、・・・
ハワイ出身の・・・??私の兄?」
そう、目に入って意味の分かる英単語をでたらめにつなげようとしているのですね。
(ちなみに正解は「これは、ハワイの私の兄からのプレゼントです」ですね。)
英語のもっと根幹のルールは、
「語順」
であることに気がつきました。
前置詞、接続詞、不定詞、分詞、関係代名詞・・・
主語の次が動詞、というだけではなく、
文全体がそのルールで貫かれているということ。
私はことあるごとに、
「英語は用件が先」
と叫ぶようになりました。
最近は「用件が先、説明は後」、と。
中3、中2はそれを再度教え込み中。
中1には、「毎日英作文」で早いうちからガッチリ押さえてもらおうと、
今しているところです。
しかし、
さらに最近また重大な根本が見えてきました!
見えてきてしまいました。
それは、
これもみんなではないですが、
でも実際に多くの生徒が
「アルファベット(から構成される英単語)が(まるきり)読めていない」
ということです!
「trip」を「テンプル」と読む。
「eat」は読める。でも「sea」「mean」は読めない。
「teaches」を迷わず「ティーチャー」と読む。
「program」「problem」「progressing」、全部「プログラム」と読む。
そう、
接触回数の多い単語は視覚で「イート」「プレイ」「ティーチャー」とかぼんやり把握しているけれど、
そうじゃない単語は、
目に入るアルファベットを組み合わせて
あてずっぽうで読んでいるのですね!
確かに英語の読みは、不規則なものも多く、わかりにくい。
私も昔、よくわからなかった記憶があります。
で、いつの間にか、慣れていった気がします。
でも、そこを実際多くの子が乗り越えられないでいる。
聴覚なしで、視覚(と根性)だけで、
単語を覚えるのは、そりゃ、至難の業でしょう。
そりゃ、語彙も増えないでしょう!!
さて、どうしたものか。
「毎日音読」は、そのための対策ではあります。
でも、まだ足りない気がします。
接触回数を増やすこと=「慣れ」に頼るものでしかないから。
うーむ。
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