ある中学生、仮にA君とします。
英語が本当に苦手です。定期テストはいつも10点未満。その点は全部まぐれの得点で、基本的に何もわかっていません。アルファベットが基本的に読めません。当然書けません。単語を覚えるどころではありません。
とりあえず補習の時間を設けました。教科書を何回も何回も繰り返して読めば、慣れたりなじんだりしてくるかなと思いましたが・・・何も効果はありませんでした。
「自然に慣れる」路線をやめて、文法の再構築をすることにしました。
まず、主語➡動詞。そのあとに全てが来るという語順。
三人称単数のs。
一般動詞の疑問文と否定文。
それだけに絞った練習を何回も何回も何回も反復したのち、beという特殊な動詞。その疑問文と否定文。
その後、一般動詞と、be動詞の過去形。
単純化してルールで教えると腑に落ちたらしく、通常の授業でも、「えーっと、動詞はどれかというと・・・」とか言いながら読んだり書いたりできるようになりました。
・・・
しかし、学年末テスト2週間前。テスト範囲の復習を始めると、接続詞とか動名詞とか、まあきれいさっぱり忘れているわけです。
とりあえずその日はifの復習のみ。
試験前は毎日塾に来てもらい、しばらくはifの練習のみ。
ifだけでも自信もって回答できた方が、むしろいい点を取れるかもしれないと思い。
しばらくすると、口から出てくる作りかけの英文が、「わかってる感じ」になってきました。
ルールが体に入った後にこそ、「繰り返し→慣れ」も有効になってくるということでしょう。
数日後、ifを応用する形で、whenとbecauseの問題にも着手。それで数日経ったところで、学年末試験の当日になりました。
間に合わなかったかな。
まだまだブレイクスルーというには早すぎます。よちよち歩きを始めそう・・・といったところですが、ここを見逃してはいけないと思います。本人にやる気があり、がんばって補習にも来ているのだから。
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