遠い昔、私は大学の史学科というところで学んでいました。
専攻は東洋史。
教授たちは皆厳格な方たちでした。
毎回のように言われました。
「自分が考えたのではない考えを書くときには、どこから持ってきたのか明示しなさい」
「根拠もはっきりしないのに自明のことのように書くんじゃない」
「これ、出典は何?」
出典を明記するのは、もちろん、スタートにすぎません。
その史料が信用に足るものなのか。その史料の読みは正確か。それを引用して自分が論じようとしていることは妥当なのか・・・教授たちには厳しく追及されました。
3年生でゼミに入ったとき、厳しい追及で涙目になる上級生を見て震え上がったものです。
歴史学というと浮世離れした印象が強いですが、
「みんな(世間的には)こう言ってるけど、本当かな?」
という懐疑の姿勢を学べたんじゃないかと思っています。
・・・
さて現在。
国語力(読解力?思考力?論理力?論理的思考力?)というものの強化の必要性を感じる昨今。
その「国語力」について、最近
「国語力とは、 ①同等関係 ②対比関係 ③因果関係 この3つを文章の中から読み取る力に他ならない」
という説をよく目にします。
国語のカリスマとして有名な予備校講師の方もテレビで言われていたそうですし、現在ドラマ放映中の「ドラゴン桜2」の中でも力説されています。
ネット上でもいろいろな方がその3つを解説されています。
ほーなるほど。面白いなあ。・・・しかし次の瞬間、私は思ってしまうんです。
「これ、誰が言い出した説なんだろう?論理学の定説か何かなのかな。調べてみよ♪」
ネットで調べてみると(Yahoo!やGoogleで数ページ調べただけですが)・・・これが出所がはっきりしません。
西洋で昔から学ばれてきた「修辞学」に、似たような内容は含まれているらしいですが。
そうなると、出所がはっきりしない説は、少なくとも、鵜呑みにしてはいけないな、と私は思ってしまうんです。
この説の根拠・出典をご存じの方がおられましたらどうかご教示くださいm(__)m
国語力―これが目下喫緊の課題であることは変わりありません。
でも遠回りでも、自分で、現場で、考え抜いてみようと思います。
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