私たち(教師や親)は、
子どもの勉強等へのモチベーションを上げようとして、
現在や未来の社会情勢を語る・説くことがよくあります。
タフな世を生きる姿勢を語ることもあります。
「20年後には70%の職種がなくなると政府が言ってるんだぞ」
「生涯年収っていう言葉知ってる?」
「これからは思考力とか、答えのわからない問題を解決する能力が問われる」
「補助金に支えられた地方の安定は、これからも続く保証はないぞ」
「変化の激しい世の中だ」
「能動的に動けるやつが勝つ」
「社会で評価される人材とは・・・」
「〇〇選手も『〇×▽』って言ってるぞ」
等々・・・
私もそんなことを言ったことがある気がします。
その手の言葉の根底にあるのは、
現状を「憂える」感情であり、
経験とか視野が豊富な人生の先輩として、
そういうことを教えてやりたい気持ちもわかります。
しかし、私の経験上、
その手の「モチベーショントーク」ほど、
子ども(中学生くらいまで)の心に響かないものもありません。
時と場合により、ゼロではないにしても。
子どもたちは、「今」を生きているからです。
「今」を必死に生きている子どもたちに、
そんな遠い話をされても、
どうしていいかわからないでしょう。
そんな話は、大人どうしで盛り上がる話なのです。
レベルが低い?
いや、「今」「ここ」を生きることが、本当は大人にとってもあるべき姿でしょうが。
ましてや、
「この話を聴いて改心してマジメに勉強するようになってほしい」
なんて下心があれば、
子どもたちはシラけるに決まっています。
そう、子どもたちは
未来のことや天下国家のことなんてわからない代わりに、
無意識にかもしれないとしても、
「今」
はきっちり見抜きます。
目の前にいる教師や親や大人が、
充実した人生を送っているか。
自分のことをちゃんと見ているか。
大人どうし誠実に、尊重し合っているか。
惰性でやっているか。
人生・仕事つまらないと思って生きているか。
そしてそれに影響されて生きていくはずです。
そのような「モチベーショントーク」が上手にできる人もいると思いますが、
私はたいへん口下手なので、
勉強に苦戦している子に対しては、
少しずつ、少しずつやらせる
励ます
以外の方法を知りません。
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