旅/観光ってなんだろう・・・
- orangejuku
- 2024年7月16日
- 読了時間: 2分
20代のころ
僕にも「旅」に惹かれていた時期がありました。
沢木耕太郎さんの『深夜特急』も読みました。
世の中には、僕らが想像もできないような異文化・異世界があるらしい。
百聞は一見に如かず!
僕はイスラムを専攻したので、
シリアに2度(ついでに近隣のレバノン、トルコも)旅行しました。
楽しかったです。
「向こうの人はめっちゃフレンドリーでさあ、街を歩いてるだけで『Welcome to Syria!』って声をかけてきたり、お茶をごちそうしたりしてくれるんだ」
「めしもすごくうまいんだ」
「腹いっぱい食べて、50円くらいしかしないんだ」
帰ってから、
そんなことを興奮して素朴に語っていました。
その陰には、
独裁国家の問題
経済の低迷
日本との経済力の差ゆえに僕が贅沢をできたという現実
そんな現実があることを、
薄々知りつつ。
1997年には
エジプトで観光客がイスラム過激派によって襲撃され、
日本人観光客も巻き込まれて亡くなられました。
2001年には
アメリカでイスラム過激派による同時多発テロがおこりました。
その数年後
アメリカに新婚旅行に行きました。
それ以来、海外には行って(行けて)いません。
・・・・・
駅前にも多くの海外の方が見られるようになりました。
コンビニの外のベンチで白人の家族が、
若干物憂げな雰囲気で休憩中。
ふと耳に聞こえてきた
"He needs fun."
というお母さんの言葉。
10歳くらい?の男の子のことを言っているようです。
楽しいのかな。
楽しんでいるのかな。
昔は『地球の歩き方』くらいしか情報がなくて、
見当のつかぬ異世界におずおず入っていく
「冒険」感があった気がする。
もちろん
かりそめのものだったでしょうが。
今は
ものすごい情報ですよね。
その家族もスマホを見てます。
「こーんなすごいものがあるよー」
「こーーんな美味しいものがあるよー」
視覚からたっぷりと入ってくるそんな情報が
これでもか
これでもか
と言わんばかり。
そこにエキサイトメントはあるんだろうか。
驚き、発見、学びはあるんだろうか。
いや、いや、
昭和生まれのただの繰り言です。
観光産業も大事なことは重々承知しています。
でも、
なんだろうこのモヤモヤ。
貧乏旅行者を気取ってダマスカスの町をふらつく
20代の僕を見ていたシリアの人たちも
そういう風にモヤモヤしていたのかなあ。

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