「真実」よりも現実を。
- orangejuku
- 6月16日
- 読了時間: 3分
中学教員だったころ
生徒同士のトラブルの仲裁、解決なんてのが日常茶飯事でした。
(まー、あんまり楽しい仕事ではありませんでしたが💦保護者様も参戦したりして・・・)
教師側としては、とにかく「事実」を確かめなければなりません。
注意深く突き止めていった結果、
最初の原因は、大したことのない、「ボタンの掛け違い」みたいなことがほとんど。
そこから先は、「そしたらあいつがああ言った」「あの言い方はないと思った」「流れ的に」etc.
雪だるまが膨れ上がるような、
火が燃え広がるような、
そんなパターンがほとんどでした。
被害者みたいに見える子が、ひどい言葉を発していたり(そりゃ、子どもですから)。
「もとはと言えばこんなくだらないことなんだから・・・」
「お前も悪いがお前もここは改めよう」
とか言って、仲直りさせることが多かった気がします。
(それでいつも解決していたかどうか、は別として。)
昔中東やイスラムを勉強していました。
なんて言うと、
「複雑だよねえ・・・」
と誰しもが反応されます。
「どうしてあんなに複雑なんだろうね」
とか訊かれることもあります。
(それをきっかけに「もう3000年の宗教対立だからね」「石油だよ結局」とか、自説?をとうとうと語りに入る陽気な方々も多いですw)
「どうして」、ですか・・・
簡単にスパッと答えられたら問題は存在していないでしょう(苦笑)。
かといって、
「いやいや、もっと複雑で・・・」
としかめっ面してこまこま語るのもなんか・・・
真実は単純なはず!
20世紀初めの欧米の植民地支配が尾を引いている?
第一次大戦時のイギリスの「三枚舌外交」のせいだ?
イスラエル建国のときのパレスチナ人迫害・追放が発端?
歴史学ではそのようなことを指摘することが多いでしょう。
さらに、
アラブ民族主義が失敗して各国が独裁政権化したことが、イスラム過激派を育てるはめになった?
ソ連のアフガニスタン侵攻でイスラム過激派が成長した?
・・・
色々なことが積み重なっています。
なんかキリがありません。
で、結局なんでパレスチナやイスラエルやイランの悲惨な戦争は続いているの?
なんで、そんなに対立してるの?
「現実、物心ついたときから対立してるから」
という理由しかないんじゃないか
と僕は思います。
ハマスに参加する戦闘員
イスラエルで要人暗殺作戦に従事する諜報員
彼らがなぜそういう仕事に従事しているのか。
「聖書/コーランにそう書いてあるから」
「(100年前の)20世紀初頭の欧米列強の植民地支配を快く思わないから」
「アメリカ石油資本の支配に反対だから」
きっとそんなことではないでしょう。
(そういう風に「教える」人たちもいるだろうし、その影響も無視できないとはいえ。)
「物心ついたときからイスラエルにおびやかされて育ったから」
「家族もイスラエルに(ハマスに)殺されたから」
「家族もイスラエルに(ハマスに)殺されたと父や母が言っていたから」
現実はそういうところじゃないでしょうか。
さらに
「現実ハマスはあのような攻撃システムを持っているのだから、こちらはそれを破るシステムを持たなければならない」
「現実敵は・・・」
等々。
人は、多分、
100年前にさかのぼる歴史的な理由とか、
信条・主義的な理由とか、
そういうことでは本当には動きません。
自分に容赦なく迫ってくる現実で、人は動くんだと思います。
だとしたら、
「もうこんなことやってる場合じゃない」
という風に、なってくれないかなあ。
そして、
世界中の
これからの社会を担う人たちが、
少しでもそういう過去のしがらみから自由になって、
現実的に
冷静に
科学的に
本質的にやるべきことをやる、
そう育ってほしい、僕はそう願ってやまないです。




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