レバノンの思い出
- orangejuku
- 2024年10月17日
- 読了時間: 3分
4半世紀近く前の話ですが、
僕はレバノンについて大学の卒論を書きました。
今イスラエルの激しい攻撃を受けている中東の国です。
大学4年になる春休み、シリアおよびトルコと合わせて旅行もしました。
レバノンというこの小さな国は、
かつては地理的な要因やフランスの影響もあって経済的に繫栄し、
首都ベイルートは「中東のパリ」とよばれたこともあったといいます。
しかし1970年代後半からは激しい内戦となり、
「失敗国家」の一例に挙げられるまでになってしまいました。
それでも僕が旅行した2000年ころは、
70年代以降の内戦が一段落し、
復興しつつある、活気のある感じがしました。
治安もよくなっていました。
首都ベイルートも確かに、
中東の都市のなかではおしゃれで開放的な感じがしました。
でも、
問題は解決されないまま山積みで残っていたのでしょうね。
その後の歴史を見ると。
今年の秋になってから
レバノンはイスラエルの侵攻を許し、
首都もふくめて全土が空爆を受け、
レバノンに軍隊はないの?
と正直驚きます。
いや、
イスラエル軍相手にかなうはずがないとか、
宗派によって分断されているとか、
事情は一応承知していますが。
レバノン政府がイスラエルの非を訴えるという話もほとんど聞きません。
(僕の立場として反イスラエルを訴えているわけではありません。そうではなく、普通の国だったら、自国への侵攻や爆撃を受けたら、国際社会に対してなにか訴えるんじゃないか?という素朴な疑問です。)
なんでも大統領職は何年も空席で、
「暫定首相」が代行しているのだとか。
リーダーすら不在とは・・・
一般のレバノン国民にとってはどんな気持ちなんだろう。
国連に加盟する平等な主権国家でありながら、領土も領空もへったくれもなく、首都や全土を爆撃され、家財産を破壊され、大勢の死者を出し、政府は何も動けない。
無力感
屈辱
不条理
昔、アフガニスタンについてのルポを読みました。
世界のエゴと不条理の掃き溜めみたいなその国の中から、
タリバンが生まれ、
アルカイダが育ち、
9/11のテロが育まれた、ということを感じさせられた本でした。
世界のはじっこに吹きだまった不条理は、やがて大きな牙をむいて、安穏としているわれわれに襲いかかってくるような気がしてなりません。
いや、
レバノン以外にも悲惨なことが起こっている国は世界中にあり、
僕だってすべてに関心があるわけなんかじゃありません。
たまたま個人的に思い入れがある国だというだけです。
それに
心を痛めるだけで何もできないのだけど。

真ん中の写真の左の東洋人が、昔の僕です💦



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